
プロセス分析計は、プロセスの監視頻度とサンプリングによって「インライン式」「オンライン式」「オフライン式」の3種類に分けられます。この中で今回ご紹介するインライン式は、貯蔵タンクや反応タンク、その流路といった測定対象物に分析器のセンサ、もしくは検出器が直接接触し、分析・検出・記録・送信・監視などの一連の流れが連続的に行われるものです。
一般的には可視光や近赤外光、紫外光などを用いて測定するアクティブ方式に該当し、タイムロスなくリアルタイムで動作可能なのも特徴と言えるでしょう。
インライン分析とは、プロセスライン上に設置したセンサーや検出器を用いて、流体や気体の化学的・物理的特性をその場で連続的に測定する手法です。従来のオフライン分析(アウトライン分析)では、サンプリングポートから採取した試料を検査室で分析装置にかける必要があり、測定までにタイムラグや人為的なばらつきが生じました。一方、インライン計測やインライン測定では、プロセスライン上でリアルタイムにデータを取得できるため、変動要因に迅速に対応し、品質の安定化や生産効率の向上に貢献します。化学、製薬、食品・飲料、石油化学などの業界で広く採用され、基盤技術として試料採取不要、リアルタイム、非破壊といった特長があります。
インライン分析装置は光学式と電気化学式の二つの方式に大別されます。
設置形態にはインサートタイプとバイパスタイプがあり、用途や配管構造、コスト、設置環境に応じて選定します。
では、このインライン式を用いたプロセス分析のメリットと、注意点について詳しく見ていきましょう。
インライン式のメリットは、前述した通り「動作にタイムロスを感じない」こと。スピーディーかつリアルタイムに定量的な結果が得られるため、測定時間差による無駄な廃棄を避けることが可能です。また、経時変化(原材料の変化や、ろ過装置の経時劣化など)にも対応でき、製造効率の向上を図れます。
また、目視でも確認される色や濁りなどの変化についても定量的に評価。それによって安定した品質の維持はもちろん、監視・分析にかかる人件費の削減が見込めるので、管理コストの軽減にも適していると言えるでしょう。
しかし、一方でデメリットも存在します。それは主に「初期費用をはじめとする導入コスト」です。インライン式を自動化するには設計・設置の手間がかかるため、生産ラインに投資する余裕がない場合は不向きと言えるでしょう。あくまでも効率化による恩恵を見据え、長期的に考える必要がありそうです。
2023年11月29日にGoogle検索で「インライン式プロセス分析計」「インライン式 色度計」「インライン式 濁度計」と検索し、それぞれ上位10位までに公式HPが表示された会社を調査。
その中で、インライン式の分析計を取り扱っていた8社を紹介します。

| UV吸光度 | 〇 |
|---|---|
| 色度 | 〇 |
| 濁度 | 〇 |
| pH測定 | 〇 |
| 導電率 | 〇 |
| 測定レンジ | 公式サイトに記載なし |
|---|---|
| 測定波長 |
濁度計:730~970nm 色度計(可視光):385~1000nm 色度計(紫外光):250、280、290、300、313nm |
| プロセス温度 |
濁度計:0~120℃※ワイドレンジ仕様:-30~240℃の設定あり 色度計(可視光):0~120℃ ※ワイドレンジ仕様:-30~240℃の設定あり 色度計(紫外光):0~70℃ ※ワイドレンジ仕様:-30~120℃の設定あり 導電率計/pH計:-10~135℃ ※pH電極は除く |
| プロセス圧力 |
濁度計/色度計:1kPa~10MPa(10mbar~100bar) ※仕様により変化 導電率計:1MPa(10bar)(-10~90℃) ※温度により変化 pH計:0.6MPa(6bar)(-10~135℃) |
日本カンタム・デザイン公式HPで
インライン分析計の仕様をより詳しく確認

| UV吸光度 | 〇 |
|---|---|
| 色度 | 〇 |
| 濁度 | 〇 |
| pH測定 | 〇 |
| 導電率 | 〇 |
| 測定レンジ | 公式サイトに記載なし |
|---|---|
| 測定波長 | 公式サイトに記載なし |
| プロセス温度 | 公式サイトに記載なし |
| プロセス圧力 | 公式サイトに記載なし |

| UV吸光度 | - |
|---|---|
| 色度 | - |
| 濁度 | - |
| pH測定 | 〇 |
| 導電率 | - |
| 測定レンジ | 公式サイトに記載なし |
|---|---|
| 測定波長 | 公式サイトに記載なし |
| プロセス温度 | 最高140℃(284°F) |
| プロセス圧力 | 最大1MPa(145psi) |
エンドレスハウザー ジャパン公式HPで
インライン分析計の仕様をより詳しく確認

| UV吸光度 | 〇 |
|---|---|
| 色度 | 〇 |
| 濁度 | - |
| pH測定 | - |
| 導電率 | - |
| 測定レンジ | 0AU~3AU |
|---|---|
| 測定波長 |
1~3つの波長を選択: 280、340、380、390、400、410、420、430、440、450、455、460、470、480、 490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、 630、640、650、660、670、680、690、700、760 nm(全てLEDを使用) |
| プロセス温度 | 20~+50℃ |
| プロセス圧力 | 公式サイトに記載なし |
アントンパール公式HPで
インライン分析計の仕様をより詳しく確認

| UV吸光度 | - |
|---|---|
| 色度 | 〇 |
| 濁度 | 〇 |
| pH測定 | - |
| 導電率 | - |
| 測定レンジ | 0.0~50.0度標準 |
|---|---|
| 測定波長 | 濁度:880nm標準 |
| プロセス温度 | 0~80℃以下 |
| プロセス圧力 | 0.3MPa以下 |
笠原理化工業公式HPで
インライン分析計の仕様をより詳しく確認

| UV吸光度 | - |
|---|---|
| 色度 | - |
| 濁度 | 〇 |
| pH測定 | 〇 |
| 導電率 | 〇 |
| 測定レンジ | (FTU濁度)10〜4,000 |
|---|---|
| 測定波長 | 公式サイトに記載なし |
| プロセス温度 | -30℃〜100℃ |
| プロセス圧力 | 0bar〜6bar |
メトラー・トレド公式HPで
インライン分析計の仕様をより詳しく確認

| UV吸光度 | - |
|---|---|
| 色度 | - |
| 濁度 | 〇 |
| pH測定 | - |
| 導電率 | - |
| 測定レンジ | 0〜300000NTU |
|---|---|
| 測定波長 | 公式サイトに記載なし |
| プロセス温度 |
標準タイプ:-5〜+100℃(耐用:10分間120℃) 高温タイプ:-5〜+140℃(耐用:30分間160℃) |
| プロセス圧力 | 公式サイトに記載なし |

| UV吸光度 | 〇 |
|---|---|
| 色度 | - |
| 濁度 | 〇 |
| pH測定 | - |
| 導電率 | - |
| 測定レンジ |
レシオモード:0.01〜1000 NTU/FNU 吸収モード:20〜000 NTU/FNU 後方散乱モード:100〜>5000 NTU/FNU ※other unit available: ASBC-FNU, Helms, ppm etc |
|---|---|
| 測定波長 | 850nm(他波長はオプション) |
| プロセス温度 | 公式サイトに記載なし |
| プロセス圧力 | 公式サイトに記載なし |
日本レーザー公式HPで
インライン分析計の仕様をより詳しく確認
インライン式は幅広い工業分野において活躍できますが、代表的なのは「化学工業」や「バイオテクノロジー」、「食品・飲料」分野などの活用が考えられます。
例えば化学工業ならハロゲン濃度の測定や色・濃度など見た目での測定、フィルター制御、結露や冷却水の測定などが挙げられますし、バイオテクノロジーの場合は発酵のモニタリング、クロマトグラフィー(物質の分離・精製)、配合・充填などに役立つでしょう。
また、ろ過機や遠心分離器などの測定も可能ですから、食品・飲料分野でも大いに重宝されるはずです。品質の安定、効率化を検討している際には、確認してみてはいかがでしょうか。
このメディアでは、省力化と高い品質管理を叶えるプロセス分析計を目的別にまとめています。
従来の卓上型からインライン計測やオンライン計測に変更するメリットなどを解説。自社の工場やプラント内の各種プロセスに合うプロセス分析計を紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。

濁度計・色度計・UV計・導電率計・pH分析計といった測定器をラインナップし、各配管やタンク(発酵槽)・リアクタなど製造ラインの様々な箇所に取付可能。

製薬用水における微生物汚染を測定するバイオバーデン装置や、コンバータ無しでセンサ内でデジタル分析を行う独自技術を用いた分析計を提供。

研究開発や環境アセスメント分野に適した製品としてポータブルガス分析計やマルチガス分析計などを提供しているほか、卓上/ハンディ型に特化した水質分析計シリーズを展開。